歯周病治療コラム

歯周病外科治療もできる歯医者さん?

 歯周病治療を繰り返しても治らない場合や、歯周病が重症化すると歯周ポケットに治療機器が入りにくく歯石を除去することが出来ません。そのような場合には、外科的治療が必要となります。

歯周病外科治療とは?

 深いところにある歯石や歯周ポケットに治療機器が入りにくく歯石が除去できなくなった場合には外科的治療が必要となります。歯周病外科治療は、歯茎を開けて歯石をとるといった処置になります。ガンの手術のように開けて悪いものをとって閉じるといったものになります。

歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)

 歯茎に局所麻酔をし、メスで歯茎を切り開きます。切り開いた部分の歯石をきれいに取り除きます。その後、切り開いた歯茎をできるだけ元の位置に戻し、しっかりと縫い合わせます。

注意点

  • 手術後、1~2週間後に抜糸が必要
  • 手術後、3~6週間は、消毒薬で口の中をしっかりと洗浄する必要があります
  • 歯周病は治るが歯茎が下がる
  • 空気が漏れることがある
  • しみることがある
  • 歯肉剥離掻爬術(ラップ手術)後も毎日丁寧な歯磨きや規則正しい生活を続けない再発のリスクがある

 

歯周組織再生療法

 歯周病によって大きく破壊された歯の周りの組織は自然に回復することがないため骨を作ったり、歯肉の組織を移植します。柔らかい歯茎だと歯磨きが痛いときには、かたい歯茎を移植することで歯磨きがしやすくなります。

歯周病専門医とは?

 インターネットをみていると“歯周病専門医”というのを目にします。歯周病専門医と書かれている先生が名医なのかな?とよく思いがちです。国が認めている専門医は、矯正専門医のみです。歯周病専門医とは、日本歯周病学会に在籍し、決められた研修や試験を合格した歯科医師のことをいいます。歯周病専門医といっても歯周病の治療だけをしているわけではなく、歯科治療の全般を行っています。歯周病専門医は、学会が認めた医師ということなので、歯周病治療に長けていても学会に在籍していないと認定医や専門医ではありません。学会に在籍し、専門医を取得していても、1年間の歯周病治療件数が少ない先生もいれば、学会に在籍していなくても1年間の歯周病治療件数が多い先生もいるので、専門医=名医とは限らないのです。アメリカでは、歯周病専門医は歯周病の治療しかしないそうなので、アメリカの専門医=名医かもしれないですね。

 

 外科的治療ができる歯医者さんだと、歯周病が進行した時にも安心感があるので、歯医者さん選びのポイントにしてみてください。